グレングラント(GLEN GRANT)の味わいと飲み方を紹介

ウイスキーの紹介

グレングラント(GLEN GRANT)はシングルモルトの売上としては常にトップ5に入る常連でイタリアでは70%もシェアを持っているウイスキーの1つです。

日本ではややマイナーですがスーパなどでも販売されておりながら、シングルモルトウイスキーの中でもフルーティーで飲みやすいことから、非常に完成度が高くおすすめの1本です。

目次

グレングラントの味わい、飲み方

グレグレングラントは3000円台で入手しやすいウイスキーながらも、意外と知られていないのが残念でなりません。。。

ウイスキーフリークスの名誉にかけて、このウイスキーの素晴らしさを届けたいと思います!

グレングラント 10年

スタンダードなのがグレングラント10年です。

グレングラントを知るにはまずは10年から初めて、気に入れば熟成年数の高いボトルを選ぶのがおすすめです。

種類シングルモルト
原産国スコットランド ローランド
明るい黄色、ゴールド
香りバニラ、柑橘系の果物、ハチミツ
味わいハチミツ、モルティ、ミディアムボティ、すいすい飲める
フィニッシュわずかにスモーキーで複雑
度数40度
容量700ml
価格3000円台
グレングラントテイスティングノート
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ロック

おすすめな飲み方がロックで甘さが凝縮され、ハチミツや柑橘系をしっかり感じることができます。

氷が溶けるにつれてモルト感が強くなり、後味も悪くなくスッキリとした味わいです。

水割り

甘さが口の中にサッと広がり、ライトで飲みやすいのが水割りです。

甘すぎず、食事を邪魔しないので食中に飲みたいウイスキーだと思いました。

パスタや魚料理にぴったりでしょう。

ハイボール

ハイボールは全体的にグレングラントの個性が失われる印象があり、グレングラントには向いていない飲み方だと感じます。

Arboralis(アルボラリス)

アルボラリスはラテン語で木漏れ日という意味で、こちらはシェリー樽熟成の原酒が使われています。

10年の方がバランスのよさは感じますが、アルボラリスはドライフルーツなど強い甘さを感じるウイスキーになっています。

味わい、飲み方

色合いは殆ど10年と変わらないため、シェリー樽熟成の原酒は多くなさそうだと感じます。

明るい黄色、ゴールド
香りバニラ、柑橘系の果物、レーズン、ドライフルーツ
味わいハチミツ、ドライフルーツ、シナモン、ミディアムボティ、すいすい飲める
フィニッシュ若い青りんごが長く続く
度数40度
容量700ml
価格2000円台
グレングラントテイスティングノート
グレングラント アルボラリス 正規品 40度 700ml
グレングラント

ロック

10年と同様にロックが個性を引き出し、ファーストはハチミツを感じますがすぐにドライフルーツ、ナッツなどが追いかけてきます。

フィニッシュは青りんごが長く続き、気持ちのいいウイスキーでデザートにも合いそうです。

水割り

青りんごのテイストを感じ、余韻も短く、個性が失われてしまった感じがしたので水割りは向いてなさそうです。

ハイボール

フッと香りは青りんごを感じさせ、味わいはモルト、シナモンが広がり複雑な味わいです。

食中には青りんご感が強く邪魔になりそうだと感じましたが、おつまみなどには合いそうです。

グレングラントをもっと知る

出典ウィキペディア:https://en.wikipedia.org/wiki/Glen_Grant_distillery

グレングラントはジョン・グラントとジェームス・グラントのグラント兄弟によって1840年に設立されました。

彼らのウイスキーのこだわりは強く、蒸留器(ポットスチル)を何度も改良したと言われています。

蒸留回数やポットスチルに触れる時間を増やすと雑味の少ない、クリーンでフルーティなウイスキーが作られやすいのですが同時に個性を引き出す旨味なども失われます。

雑味を極力取り除き旨味や個性を残すためにひょうたんのような独特なポットスチルが大きく貢献しています。

日本のウイスキー立役者である竹鶴政孝もグレングラントを見学したとされています。

グレングラントの場所

グレングラントはスコットランドのウイスキーが集結しているスペイサイドのローゼスにあります。

ローゼスにはシングルモルトスペイバーンもある場所です。

ローゼスはピート層を通過した新鮮な水、大麦を育てる広い平原、輸送に最適な港が全て近くにありウイスキー作りには最適な場所です。

グレングラントもこの水を仕込み水として利用しているのでフィニッシュにスモーキーさをわずかに感じさせます。

グラント家は天才揃いだった

兄のジョンは大地主、ジェームズはエルギンの市長と地元でも知られる優秀な家系であり、特にジョンはウイスキー作りの経験があったのではないかとされています。

これは当時の時代背景を鑑みると、重税から逃れるための密造酒作りは日常的であり不思議なことではありませんでした。

これだけではただの運がよかっただけの人になるのですが、グレングラントを作り始めた頃には輸送がグレングラントの要であることを認識していました。

そこで彼らはまだ蒸気機関車が一般的であった時代に、自費で線路を敷き国内のみならず海外への輸送路も確保することに成功したのです。

残念ながらグラント兄弟は1872年には亡くなったとされており、その後は孫のジョージ・グラントが引き継いでいます。

ジョージ・グラントも天才だった

グレングラントの精溜器(purifier)

ジョージは小鳥や鹿を、スペイ川で鮭を撃つのが好きだったようですが、ただの道楽息子ではなかったようです。

現在では冷却技術が発展したため、殆ど利用される事はないのですが当時では最新鋭であった精溜器(purifier)を取り入れる事で、温度変化が異なるアルコール成分が抽出されグレングラントの複雑な味を表現する事ができるようになったのです。

ジョージの快進撃は止まらない

海外へ大量輸出するにはモルトを大量に発芽させる必要があったのですが、蒸留所のある街に発電設備を整え、これまで手動であったモルティングを電力で動かすことで効率化する事にも成功しました。

生産の効率化、輸送の効率化の結果、現在においてもイタリアでのシェア70%にもなり、シングルモルトの販売数として常に上位にいるのです。

グラント家の集大成のウイスキー

グラント家が長く携わってきたウイスキーですが、ウイスキー造りだけではなく街からインフラまで整えるのは容易な事はではありませんが、ウイスキー造りが前提となり、街が発展していくことは愛好家としても素晴らしいことだと感じます。

その後、グラント家は貴族の仲間入りをしグラント家の集大成とも言えるウイスキーだったでしょう。