樽を知る

ウイスキーでの樽の役割は大きく、樽によって味わいや香りに大きく影響します。

熟成させる樽によって個性は様々で、好きな香りや味を決める参考することもできます。

樽の種類

バーボン樽(新樽、バージンオーク)

アメリカンウイスキーのバーボンで利用されるのがバーボン樽となります。

なかでもアメリカンホワイトオーク(ならの木)で作られた新樽で、内側を加熱し炭化させた物が利用されます。
また、新樽を利用して熟成させる事をファーストフィルと言われます。

新樽を利用することで樽の個性が強く抽出されるため、赤茶色のウイスキーとなります。
長期熟成には向いておらず、長くても4年から8年間利用されます。

一度利用した樽でバーボンを作ってもアメリカの法律上はバーボンとして認められないため、その多くはスコットランドなどに輸出されます。

味わいは分かりやすいハチミツ、バニラなどが特徴です。

主なウイスキー

元バーボン樽(ex-Bourbon、バーボン空き樽)

バーボンを熟成させた後に使わなくなった樽を利用してウイスキーを熟成します。

一度使った樽を再利用する事をリフィルと言われます。

バーボン樽は4年から8年で払い下げられ、連続式蒸留機を利用しているためウイスキーも大量生産されるため、空き樽も大量に発生し、安価で入手する事ができます。

その多くはスコッチの熟成で再利用され、一度利用した樽なため新樽ほど強い個性は出ませんがスコッチの場合10年以上熟成させることが多いため長期熟成に向いており、バーボン特有の優しい甘さ、ハチミツ、バニラ、柑橘系の果物などの味わいが特徴です。

シェリー樽

日本では意外と馴染みがないのがシェリーですが、白ワインの一種です。

ウイスキーの熟成の原点となった樽がシェリー樽とされており、スコットランドではスペインから大量に樽ごとシェリーを輸入していた事からシェリー樽が入手しやすく、密造酒を隠したことから始まったとされています。

現在はスペインの法規制により樽に入った状態のシェリーは輸出できなくなりましたが、スパニッシュオークを木の状態で輸入して国内で樽を製造し、シェリーを入れ、シェリー樽を作るシーズニングという方法でシェリー樽を作る事が多くなりました。

シェリー樽には、辛口タイプのオロロソ、フィノや甘口タイプのモスカテル、ペドロヒメネスなどがあります。

それぞれ特徴は異なりますが共通するのは、レーズン、ドライフルーツ、チョコ、ビター、タンニンなどリッチで芳醇な味わいが特徴です。

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ポート樽(ポートカスク)

ポートカスクもポートワインを熟成していた樽で、シェリーはスペインで作られる白ワイン、ポートワインはポルトガルで作られる白ワインと作り方や原料が微妙に異なり、名称も国によって異なります。

そのため、ポートカスクもシェリー樽と似た特徴を持っており、商標の関係でポルトガルのシェリーをポートカスクと言われます。

ポートカスクには甘口と辛口があり、甘口のポート樽で熟成していた樽を利用して5年以上ウイスキーを熟成させるとウイスキーの色は赤くなりやすく、辛口の場合は殆ど色が変化しません。

ポートカスクは赤いほど甘いと覚えるとよいでしょう。

赤色が強いポートカスクのウイスキーは、甘く、パイナップルやバナナなどのフルーティ、ピリとした辛味が特徴です。

赤色が薄いウイスキーは、ピリとした辛さ、シナモン、スパイシーな味わいが特徴です。

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STR

シェービング(Shaving)、トースティング(Toasting)、リチャーリング(ReCharring)を行った赤ワイン樽をSTR樽と言われ、トースティング(焼付)、リチャーリング(炭化)はバーボン樽の製造工程でも行われます。

赤ワインが染み付いた部分をシェービング(削り)し改めてトースティングとリチャーリングを行うことで樽を再生させ、事実上ファーストフィルですが、赤ワインの個性を引き継ぐとも言われており蒸留所によって意見は様々です。

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ラムカスク

ラムはサトウキビを原料とした蒸留酒です。

3年以上樽で熟成したラム酒をダークラム、殆ど熟成をしていないラムをホワイトラム(透明なラム)があります。

共通点としては、ライトな甘さ、黒蜜、バニラ、フルーティな味わいが特徴です。

主なウイスキー

樽の大きさ

樽の大きさには規格がなく国ごとに容量の単位も異なるため、通称名で呼ばれています。

樽の種類によって個性は様々ですが、樽が大きければ熟成が穏やかに進み、小さくなれば樽の個性が強くなる傾向にあります。

バーボンバレル

アメリカン・スタンダード・バレル(ASB)とも言われ、樽の中では小型とされています。

  • 容量: 200リットル

パンチョン

パンチョンはイギリスの古い単位で、シェリー樽で使われています。約320リットルから500リットルと幅広く、ウイスキーでは500リットルのパンチョン樽が利用されることが多いです。

  • 容量:約320リットル〜500リットル

バット

パンチョンと同様にシェリー樽で広く利用され、ポートワインでも利用されます。

  • 容量:500リットル

クォーターカスク(1/4樽)

バットの1/4のサイズで、ASBよりもさらに小型なため輸送に適しています。液面が触れる面積を増やし、熟成を早くさせる効果があります。

  • 容量:125リットル

ホグスヘッド

引用:https://countryconnection.biz/wine-whiskey-and-bourbon-barrel-terminology/

他の樽のStave(ステーブ)と言われる中腹の膨らんでいる部分を利用して作られた樽になります。

どの樽のステーブか?で名称が異なり、ASBのステーブだとアメリカンホグスヘッド、バーボンホグスヘッドと言われ、シェリー樽だとシェリーホグスヘッドと言われます。

シェリーホグスヘッドの場合はサイズが大きいので約250リットルと容量も増えます。

  • 容量:238リットル

木の種類

ミズナラ

ジャパニーズオークとも言われますが、厳密にはオークではありません。

北海道産のミズナラが使われることが殆どです。

ミズナラは加工が難しく、蒸発、液漏れしやすいなどの特徴があるためウイスキーの熟成には不向きとされていますが、熟練の技術によって加工され樽として利用されています。
ミズナラ樽を使ったウイスキーには山崎、イチローズモルト、シーバスリーガルなどがあります。

線香、白檀(びゃくだん)、お香、オリエンタルな味わいが特徴です。

アメリカンオーク(ホワイトオーク)

バーボンで利用されることが多い木材で、アメリカンホワイトオークとも言われます。

バーボンの殆どがケンタッキー州で蒸留されているのはホワイトオークも入手しやすい事が関係しています。

また成長も早く、価格も安い、甘いウイスキーが作られる事が特徴です。

ヨーロピアンオーク(スパニッシュオーク)

シェリーの熟成で使われることが多く、バーボンでも稀に利用されることがあります。

ホワイトオークと違いタンニンが含まれているため、スパイシー、辛味、苦味などが含まれます。

メープル

メープルは世界中にあるカエデの木で、ウイスキーの熟成には殆ど利用されませんが、メープルを炭化させ濾過(チャコールメローイング)として利用する事で滑らかでほのかに甘さを感じるウイスキーが作られます。

ジャックダニエルがこの方法でウイスキーを生産しています。

メープルの甘い香りを付けるために、追熟として利用される事もありノブクリークなどからメープル追熟したのボトルが販売されています。